2019 PHILIPS Auction of the year

価値観を再確認ができた年 019年のフィリップスの特徴としては、伝説の独立時計師のGerge DanielsやパテックフィリップのRef.5002が2本ランクインするなど幻の時計が出品されていたので改めてその時計の価値を知ることができる年でした。加えて俳優のマーロン・ブランド氏やプロゴルファーのジャック・ニクラス氏が愛用した時計も出品されました。正直、これは著名人が着用していなければ今回のランキングに名を連ねるような時計ではないのですが、彼らが愛用したという理由で今回の結果となったのです。そんな新たな付加価値も教えてくれた2019年のフィリップスオークションのレポートをお届けします。 TEXT BY SHINSEI

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    PATEK PHILIPPE

    (Ref.5002G)

    ちらの時計は2007年に発売されたパテックフィリップのRef.5002Gです。このRef.5002Gはパテックフィリップが創作した中でも、超絶複雑な腕時計であり、永久カレンダーだけでなく、星座表、月の満ち欠けと軌道、それから常用時と恒星時の表示などを搭載しています。まさにパテックフィリップの長年の伝統と技術の集大成とも称することができる一本と言えます。また美しく仕上げたムーンフェイズもとても魅力的ではあります。部品総数は686個とかなりの量ではありますが、ケース径は43mmという驚きのケース径が、さらにパテックフィリップの技術力の高さを誇示しています。パテックフィリップマニアであれば、どうしても手に入れたい一本であることは間違いないです。

    落札価格 HKD8,550,000/ ¥115,681,500

    10 th
    10 th
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    Rolex

    (Ref.1803)

    こちらの時計は、メジャー大会通算18勝の歴代最高記録をはじめPGAツアー73勝、PGA賞金王8回、同最優秀選手5回、アメリカ男子の賞金ランク1位8回等、数々の栄冠に輝き、「帝王」として語り継がれているジャック・ニクラス氏が約50年間愛用したロレックスのデイデイトRef.1803です。この時計はロレックス社が1967年に贈呈しており、そこから毎日のように愛用していた逸品として語り継がれています。しかしここで面白いのが、ただのRef.1803だと大体数百万ほどあれば購入可能ではあります。しかし、近年話題となったポールニューマンもしかり、著名人が愛用していたという付加価値がとてつもなく評価されているのです。なので今後も価値が上がっていく可能性を秘めていると言えます。

    落札価格 USD1,220,000/ ¥131,357,400

    9 th
    9 th
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    PATEK PHILIPPE

    (Ref.2499)

    こちらのパテックフィリップのRef.2499は、349本しか生産されておらず、いかにこのリファレンス番号に価値があるのかお分かり頂けるかと思います。またこのリファレンス番号である、アストロンやティファニーなどのダブルネームも時計愛好家の間ではいつか手にしたい1本として有名です。その中でもこちらはムーンフェイズにCrucchiのサインが鎮座しているダブルネームウォッチになります。これもまた希少価値を高めここまでの金額で落札されている要因の一つです。こちらの時計はピンクゴールドですが、総生産数349本のうちピンクゴールドは第1世代が7本、第2世代が9本、第3世代が6本しか作られておらずまさに幻の逸品です。

    落札価格 CHF1,580,000/ ¥172,251,600

    8 th
    8 th
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    Rolex

    (Ref.6062)

    こちらは20世紀中頃のトリプルカレンダー ムーンフェイズ搭載のRef.6062です。ケース径は36mmと小ぶりでデイデイトのような見た目をしています。しかし、こちらの時計はもちろん只者ではなく、見た目のインパクトがある星型のインデックスはこの時計の特徴です。スター型のインデックスをあしらった文字盤モデルは、イタリアのコレクターが「Stelline(ステリネ)」とニックネームを付け、ロレックスが作った、最も美しく象徴的な複雑時計と評価する専門家もいるほど、注目を浴びている一本と言われています。このモデルは約2年しか制作されていないので、そこもまた、ロレックスの雲上のモデルとしてコレクターの間で語り継がれている名品の所以なのかもしれません。

    落札価格 CHF1,940,000/ ¥211,498,800

    7 th
    7 th
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    Rolex

    (Ref.4113)

    ヴィンテージ時計と言われるモノは、基本的にケース径が40mm以下が多いのが通常です。ただ、こちらの時計は1942年に製造されたモノであるにも関わらず、ケース径は44mmととても魅力的なボリュームを持っています。それだけでも只者ではないのはお分かりいただけますが、このRef.4113はそもそもあまり聞いたことがないリファレンス番号です。ロレックスが製作した唯一のスプリットセコンド・クロノグラフであり、1942年に12本のみ製造され、その後再度製作されることはありませんでした。ゆえに極めて高い希少性を持つものであり、まさに幻の時計なのです。実は度々出品されるリファレンス番号ではあるのですが、その都度落札価格は上昇しているので今後どこまで上がっていくのか注目です。

    落札価格 CHF1,940,000/ ¥211,498,800

    6 th
    6 th
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    Rolex 

    (Ref.1675)

    こちらのロレックスのRef.1675は一見シンプルな見た目なので、どこがそんなに希少価値があるのか疑問に思う方も多いと思います。答えは簡単で、タイム誌でアクター・オブ・ザ・センチュリー「20世紀最高の俳優」に選出している俳優マーロン・ブランド氏が着用した時計だからなのです。その証拠にマーロン・ブランド氏のサインがケースバックにサインが施されています!これはとてもマニア心を擽るポイントですよね。素材はステンレススチールで、インデックスはキレイに焼けているのも◎。ポールニューマンもしかり、近年は20世紀の俳優が着用した時計に、プレミア価格が付いている傾向があると言えるのかもしれません。新たな付加価値を教えてくれた逸品と言えます。

    落札価格 USD1,952,000/ ¥210,171,840

    5 th
    5 th
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    PATEK PHILIPPE

    (Ref2499)

    ちらのパテックフィリップのRef.2499は、近年のオークション落札上位ランキングの上位にきている常連です。1950年から34年間ほどの間でしか製造されず、世界中に349本しか存在しないので、希少価値というものは言うまでもありません。保存状態も良好なイエローゴールドケースは、さらにプレミア度を高めている要因でもあります。パーぺチャルクロノグラフのこちらの時計は、6時位置のムーンフェイズを配置。プリントではなく、金板にエナメルを施すことで、あざやかな青色を演出しています。針の造形はサスガの仕上げ。ケースバックはスクリューではなくスナップバックであることから、この時代までは防水性が確立されていなかったことが分かり、当時を振り返ることもできるのも魅力の一つです。

    落札価格 USD2,024,000/ ¥217,924,080

    4 th
    4 th
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    PATEK PHILIPPE 

    (Ref.1518)

    こちらのパテックフィリップのRef.1518は、1941年に誕生し、史上初めてパーペチュアルカレンダーとストップウォッチ機能を搭載した伝説の1本として時計愛好家の間でも語り継がれています。オークションで出品されれば間違いなく上位に入ってくるような奇跡の1本が今回出品され、やはり結果としてランクインしてきました。しかもこのRef.1518の中で、あまり知られていない味わい深い色合いのピンクゴールドケースです。これはとても話題となりました。ちなみに余談ですが、このRef.1518の生産本数281本のうち、ほとんどがイエローゴールドかレッドゴールドなのでより希少価値があるのはお分かりいただけるかと思います。パテックフィリップ愛好家としては、コレクションに加えたい逸品だと思います。

    落札価格 USD2,300,000/ ¥247,641,000

    3 rd
    3 rd
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    PATEK PHILIPPE

    (Ref5002G-010)

    パテックフィリップと言えば、オークション上位落札ランキングで常連の超名門ブランドなのは主知の事実ですが、今回も例年に漏れずランクインしていました。その時計がパテックフィリップのRef5002G-010です。ダークで妖艶な世界観を演出しているこちらの時計は、赤色のローマ数字で黒をより引き立たせる演出をしています。加えて文字盤にはカラトラバ紋章が鎮座し、伝統をさり気なく誇示しています。機能性も素晴らしく、トゥールビヨンやレトログラードに日付け針付きの永久カレンダーを始め複雑な機構が満載。そしてケースバックには敢えて世界観が異なるフェミニンでロマンティックな雰囲気を醸しだしています。まさに2面性を兼ね備え、マニア心を擽る逸品です。

    落札価格 HKD18,150,000/ ¥244,480,500

    2 nd
    2 nd
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    GERGE DANIELS

    2019年のフィリップス オークション落札額第一位はこちらの懐中時計です。この時計を作り上げたのは独立時計師として、時計史に語り継がれているジョージ・ダニエルズ氏が手掛けた名品になります。氏が時計業界に与えた影響は数知れず、82年にはトゥールビヨン付き懐中時計の制作に成功しています。名実ともにレジェンドの氏が手掛けた時計となると必ずと言っていいほどオークションで上位に名を連ねているのです。同サイトにてご紹介させて頂きました2019年サザビーズ オークションの第一位も、ジョージ・ダニエルズ氏の懐中時計がランクインしています。時計愛好家の間では、彼が作り上げる時計が喉から手が出るほど欲しいことを証明しているのです。

    落札価格 CHF2,420,000/ ¥259,448,200

    1 st
    1 st