ANTIQUORUM /ジュネーブ06

ANTIQUORUM /ジュネーブ06

脚光を浴びた3本とは?

2020年6月28日、アンティコルムでモダン&ヴィンテージ ウォッチのオークションをジュネーブで開催されました。その中で、ロレックスのヴィンテージモデル3つが世界新記録を樹立したことで脚光を浴びています。その3本とは、それぞれエスティメートをはるかに上回る結果を出した1955年製のローズゴールドのオイスタークロノグラフ Ref.6034、1979年製のCOMEX サブマリーナー Ref.1680、1969年製のトロピカルダイヤルのマークII 赤サブマリーナー Ref.1680。

そんな記録を更新した3本をここにご紹介します。

Ref. 6034 オイスタークロノグラフ 18K ローズゴールド

希少なローズゴールドの6034。オークションでは、18Kローズゴールドが25万~35万スイスフランの予想だったが、それを上回る60万スイスフラン(約6824万円)で落札されました。

                       

こちらはプレ・デイトナとも呼ばれる6034は、後にオイスター・パーペチュアル・クロノグラフのアイコン的存在となるコスモグラフ デイトナへのエントリーモデルです。このモデルは、ラグとケース裏蓋に施されたホールマークが示すように、オークションでは修復されていない “コンクール “状態で出品されています。文字盤には美しいパティーナが施され、ドーフィンの夜光針が配された完全なヴィンテージで、エンドリンクのないゴールドのリベットブレスレットを装備しています。この時代の個体からして酸化や損傷が見受けられない非常に珍しく完璧な状態だと思います。

Ref. 1680 COMEX サブマリーナー 1979年製

2014年のクリスティーズオークション19万1000スイスフラン(約2172万円)だったCOMEX文字盤のサブマリーナー 1680。今回のアンティコルムでの落札価格は、なんと52万4000スイスフラン(約5959万円)という記録的な結果に。つまりコメックス サブマリーナー 1680の記録も以前の2倍以上となりました。

                           

COMEXの刻印が施された1680は、約60本しか生産されていないと言われており、非常に希少な個体です。その希少性に加えて、うち60本は多くが修理され、COMEXの表示が無い標準的な文字盤に交換されているという事実があリました。それは当時、多くの所有者はダイヤルのCOMEXロゴが気に入らなかったため、COMEXダイヤルが通常のRolexダイヤルに換えられていたとの事です。そして、この時計がユニークなのにはいくつかの理由があります。まず、ダイビングに実際には使われず、水中にいくことはなかった個体です。さらにこの時計にはオリジナルの保証書が付属します。COMEXの刻印が入った時計ではめったに見られない付属品で、通常はCOMEXが保管し、最終的な所有者に渡されることはなかったものであるということが、言うまでもなく、この個体

は非常に希少な一例だと思います。

Ref. 1680 マークII メーターファースト 赤サブマリーナー

ヴィンテージ・ロレックスの中でも最も収集しやすい時計の1つとなっている赤サブ。しかし、今回のトロピカルモデルは記録を更新する10万3750スイスフラン(約1180万円)で落札されました。

この個体は全体的に、ベゼル、ダイヤルなど、均一なトロピカルブラウンの経年変化が見られます。サブマリーナーロゴの下に、メートル表記が最初に示されるマークIIダイヤルで見られます。他にマークIIの特徴といえば、オープンナンバー6(6の数字の一部が空いたフォント)と “ft (フィート)”表記の細長い “f” “。さらにこの個体には、1971年の正しいクロノメーター認定書とその元の時期と正しく合う、完全なブレスレットが付属しているようです。ロレックスは文字通り、もうこのような組み合わせを意図的に作ることはないでしょうし、このように均一に経年変化が見られる状態の個体はなかなか見れる代物はないと思います。