Actor’s Watch #143~
【元・ロマコメの帝王】
ヒュー・グラントの腕時計

映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第143弾の今回は、「ヒュー・グラントの腕時計」をお送りします。

1990年代後半から2000年代初頭にかけ、甘いマスクと抜群のコメディセンスを武器に、恋愛ドラマでヒロインが恋に落ちるイケメン男を数多く演じ、「ロマコメ(ロマンティック・コメディ)の帝王」と呼ばれていたヒュー・グラント。

*出典元:https://www.seiska.fi/

数々のスター女優とスクリーンの中で浮名を流したヒュー・グラントも、すでに御年63歳。往年のイケメンぶりは流石に影を潜めましたが、そのコメディセンスは今も健在。近年も多くの大作映画の中で、一癖も二癖もある個性的なキャラクターを演じ続けています。

今回は、そんな彼が劇中で着用した腕時計に迫ってまいりたいと思います。

ジェントルメン

THE GENTLEMEN(2020)

*出典元:https://glassesradar.com/

ロンドンの裏社会。麻薬取引で大金持ちとなったアメリカ人、ミッキー(マシュー・マコノヒー)がドラッグ事業を売却し、平穏な生活を求めて裏稼業から引退するという噂が流れる。もし本当なら4億ポンド以上のドラッグ利権が動く見通しに、ロンドンの悪人どもは目の色を変える。

そんな中、探偵のフレッチャー(ヒュー・グラント)は、田舎貴族のプレスフィールド卿がミッキーからドラッグを入手していることを知る。ミッキーの右腕として知られるレイモンド(チャーリー・ハナム)にその証拠を突きつけ、大金を脅し取ろうと目論むフレッチャーだが、ミッキーの所有するドラッグ製造施設が迷惑系の不良グループに襲撃され、その様子がネットに晒されたことで事態は混迷を極めていく、、、

*出典元:https://www.pinionwatches.com/

スナッチ』(2000)や『シャーロック・ホームズ』(2009)で知られるガイ・リッチー監督が、ロンドンの裏社会を舞台に、予想もつかないアクシデントの連続で描くドタバタサスペンス『ジェントルメン』(2020)。

本作で映画好きで狡猾な探偵を演じたヒュー・グラントが着用しているのは、ピニオン アクシス II カスタム デザイン(Ref.-)。2013年にイギリスで創業した新興ブランドの腕時計です。ピニオンの公式サイトにも本作について記載があり、赤系の服やサングラスに合わせ、ブロンズケースと黒い文字盤を組み合わせた特注モデルとのこと。ヒュー・グラントはインタビューで、この衣装について「自分で見ても不快な奴(笑)」とコメントしております。

フレイザー家の秘密

THE UNDOING(2020)

*出典元:https://variety.com/

心理療法士のグレイス(ニコール・キッドマン)は、医師である夫のジョナサン(ヒュー・グラント)と、名門校に通う息子のヘンリーと共に、マンハッタンの高級住宅街で何不自由の無い生活を送っていた。しかしある日、知り合いの女性エレナが殺害され、それと同時に夫が行方不明となる。警察の捜査により、夫のジョナサンがエレナと不倫関係にあったことが判明。ジョナサンはエレナ殺害の容疑者として逮捕される。

グレイスは夫の無罪を証明するため彼の身辺を調べていくが、自分の知らない事実が次々と明らかになっていくことで、逆に疑いを深めていく。グレイスの夫への気持ちが揺らいでいく中、この事件は、全米が注目する裁判へと発展していく、、、

*出典元:https://www.reddit.com/

幸せな家庭を築いていた妻が、夫の不倫相手が何者かに殺されたことで疑心暗鬼となっていくサスペンスドラマ『フレイザー家の秘密』(2020)。大きな秘密を抱えた夫を演じるヒュー・グラントが本作で着用している腕時計は、ピアジェ ポロ S クロノグラフ ブラック(Ref.G0A42002)と思われます。

彼が演じているのは、医師であると同時に殺人者なのかもしれないという、真逆の二面性を持つ男。優雅でありながら、大きな危険も伴うポロ競技をイメージしたこの腕時計によって、その二面性を強調しているのかもしれません。

ブリジット・ジョーンズの日記・他

ヒュー・グラントがハリウッドの「ロマコメ映画」に出まくっていた2000年代初頭。彼が数々のロマコメ作品の中で着け続けていた腕時計があります。それはパネライ ルミノール マリーナ。彼はハリウッドきってのパネリスティ(パネライ愛好家)として知られており、現在でもインタビューなどで、同ブランドの腕時計を着用している姿が頻繁に目撃されております。

残念ながら、スクリーンでは時計がアップになるシーンは無く、型番を特定することは叶いませんでしたが、彼の「パネライ愛」が感じられる4本の「ロマコメ映画」をご紹介してきましょう。

*出典元:https://timeandtidewatches.com/

ヘビースモーカー&酒浸りの30代独身女性、ブリジット・ジョーンズの恋愛弱者ぶりをリアルに描き、ブリジットを演じたレニー・ゼルウィガーがアカデミー主演女優賞に輝いた大人のラブコメディ『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)。

本作では、ブリジットが憧れる出版社の上司であり、イケメン編集長を演じたヒュー・グラント。ブリジットと付き合いながら、他の女性と二股をかけるクズ男プレイボーイを楽しそうに演じています。

*出典元:https://www.spotern.com/

続いて、由緒ある建物の取り壊しに反対する女性弁護士(サンドラ・ブロック)と、取り壊しを強行しようとする不動産会社のCEO(ヒュー・グラント)が、衝突を繰り返しながらも次第に信頼関係を築いていく『トゥー・ウィークス・ノーティス』(2004)。

正義感と決断力に溢れる女性弁護士を演じたサンドラ・ブロックと、大手不動産業の優柔不断な二代目御曹司を演じたヒュー・グラントの対比が楽しい一本。

*出典元:https://www.imdb.com/

続いて『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』(2004)。ダサくも誠実な弁護士(コリン・ファース)と付き合い始めたものの、彼が身を置くセレブ社会に馴染めずストレスを溜めるブリジット。そんな彼女に、元上司のクズ男プレイボーイ、ダニエルと一緒にタイへ取材に行く仕事が舞い込む。

前作から3年後に公開となった本作では、二股をかけて彼女にフラれ、転職して旅行番組の人気レポーターとなって再登場したヒュー・グラント。

*出典元:https://www.popsugar.co.uk/

かつて大ヒットを飛ばしながら、最近は鳴かず飛ばずのミュージシャンと、音楽の才能がありながら、なかなか世に出るチャンスに恵まれない女性作詞家(ドリュー・バリモア)。どちらも不幸な過去がありながら、それでも前を向いて進んでいこうとする二人の恋愛を描いたラブソングができるまで』(2007)。

自分が作った曲の権利をかつてのバンドメンバーに奪われ、自暴自棄となって落ちぶれたボーカリスト。少々ちゃらんぽらんで世間に疎い、母性をくすぐるタイプのミュージシャンを、ヒュー・グラントが演じています。

1993年の市販開始後、シルヴェスタ・スタローンなどの筋肉系スターがアクション映画内で着用し、時計愛好家への認知度が高まったパネライ。しかし、スーツやワイシャツ姿のエグゼクティブやホワイトカラー層のキャラクターがゴツいパネライを着用することは、2000年代初頭にはあり得ない選択でした。それでもご存知の通り、2000年代後半にはデカ厚ブームが到来。スーツやワイシャツにパネライを合わせる、遊び心あるスタイリングが大流行となりました。デカ厚ブームが起きた要因として、大ヒット映画の中でそのようなスタイリングを先取りしていたヒュー・グラントの影響は非常に大きかったと、個人的に考えております。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

少し大げさな言い方をすれば、ヒュー・グラントはホワイトカラー層における「デカ厚ブームの立役者」と言っても過言ではなく、遊び心ある「ハズシ」のファッションアイテムとしてのパネライを世に広めた第一人者と言えるのかもしれません。

時計業界の末席にいる者として、ゆめゆめ足を向けて寝られません。

*出典元:https://www.digitalspy.com/

さて、チャーミングなイケメンだった「元・ロマコメの帝王」、ヒュー・グラントの近作についてもご紹介しておきましょう。彼の最新作は、なんと『チャーリーとチョコレート工場』(2005)の前日譚である『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023)。前作にも登場した奇妙な小人、ウンパルンパ役を演じております!

正直、劇場まで行って観るつもりはなかったのですが、ヒュー・グラントがウンパルンパを演じているなら話は別。どんな怪演を見せてくれるか今から楽しみで仕方ありません。日本での劇場公開日である12月8日(金)に休みを取るか悩み中です、、、

ではまた!

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