映画と共に歩んできたパネライ【後編】~Actor’s Watch #27~

映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第27弾の今回は、前回に引き続き「映画と歩むパネライ」の後編をお送りいたします。

まずは前編のおさらいから。
1990年代後半に映像技術が革新期を迎え、CGを用いたド派手なアクションシーンを多彩に盛り込んだ大作映画が多く制作されました。そこに説得力をもたらす小道具としてアクションスターたちに選ばれたのが、当時、一般販売を開始したばかりの「堅牢性の権化」たるパネライの腕時計でした。

*出典元:https://perezcope.com/erai/

後編の今回は、その人気が確かなものとなった2000年代以降の、パネライが登場する映画を紹介して参りましょう。

DENGEKI 電撃

EXIT WOUNDS(2001)

1992年公開『沈黙の戦艦』の大ヒットで国際的スターとなったスティーブン・セガールの刑事アクション映画『DENGEKI 電撃』。この映画では主演のセガールではなく、ラトレル・ウォーカー役を演じたラッパーの「DMX」がパネライを着用しています。

*出典元:https://m.imdb.com/

デビューから5作連続でビルボードチャート初登場1位を記録した史上初のアーティストであり、HIP-HOP界の伝説ともいえるDMXが着用したことで、ラッパーたちの間でパネライが流行するかと思いきや、意外にもそうはなりませんでした。

当時からHIP-HOP界は、ラッパー自らがレーベルを立ち上げるなど、アーティストが起業家を兼ねることも多く、パネライのようなミリタリーウォッチよりも、成功者の証たるロレックスのデイデイト等に人気が集中。現在もこの傾向は続いています。

*出典元:https://www.jaztime.com/

そのような起業家ムーブから距離を置いていた、どちらかというと一匹狼に近いDMXのスタイルは、広く受け入れられなかったのかもしれません。

ハリウッド的殺人事件

HOLLYWOOD HOMISIDE(2003)

副業で不動産仲介を行なうベテラン刑事(ハリソン・フォード)と、副業でヨガ教室を営む若手刑事(ジョシュ・ハートネット)が、それぞれの副業に振り回されながら、HIP-HOPグループのメンバー殺害事件を捜査していくドタバタコメディ『ハリウッド的殺人事件』。

この映画では、ヨガ教室が大盛況で女性にもモテモテの若手刑事役、ジョシュ・ハートネットパネライ ルミノール マリーナを着用しています。パネライの時計が「ビジネスセンスのある、流行に敏感な高収入の若手刑事」というキャラクターに説得力をもたらす小道具として、実にうまく機能しているように思えます。

*出典元:https://www.parkcircus.com/

パネライの時計が堅牢性だけでなく、ファッションとしても流行の最先端を突っ走っていた時代が表現されている映画と言ってよいでしょう。

さて、ここからは少し趣向を変え、「21世紀の映画とパネライ」を語る際に忘れてはならない、二人のスター俳優を紹介していきましょう。出演する映画の劇中で幾度となくパネライを着用し、インタビューやオフショットでもパネライの着用が確認されている真性の「パネリスティ」です。

ドウェイン・ジョンソンのパネライ

まず一人目の「パネリスティ俳優」は、ドウェイン・ジョンソン。もしかしたら「ロック様」という呼び名のほうが馴染み深い方もいるかもしれません。*出典元:https://www.sportskeeda.com/

1990年代後半より「ザ・ロック」のリングネームでプロレスラーとして活躍していたドウェイン・ジョンソンは、2000年代からレスラー活動と並行してハリウッドに進出。2002年公開のヒット作『スコーピオン・キング』で初主演を果たして以来、レスラーとしての肉体美を武器に、現在も多くの大作映画で主演を張るアクションスターのひとりです。

それでは、ドウェイン・ジョンソンが劇中で着用したパネライの時計を見ていきましょう。

ワイルド・スピード MEGA MAX

FAST FIVE(2011)

人気シリーズ『ワイルド・スピード』の第五作。ドウェイン・ジョンソンが演じるのは、指名手配犯となった主人公ドミニクを追う凄腕捜査官ルーク。主人公が盗んだ自動車に悪徳実業家の闇資金情報を記録したマイクロチップが隠されていたことで、ドミニクvs悪徳実業家vs凄腕捜査官の激しい三つ巴バトルが展開されていきます。ルーク捜査官の逞しい腕に着けられているのは、PAM00025と思われるパネライ ルミノール サブマーシブル*出典元:https://oracleoftime.com/

G.I.ジョー バック2リベンジ

G.I.JOE:RETALIATION(2013)

悪の組織「コブラ」と、世界各国の精鋭を集めた特殊部隊の戦いを描く『G.I.ジョー』。その続編となる本作では、ドウェイン・ジョンソンは部隊の新メンバー「ロードブロック」を熱演しています。その腕に着けられているのはパネライ ルミノール デイライト。ハリウッドがパネライに注目するきっかけとなった、シルベスター・スタローン主演映画『デイライト』(1996)の名を冠するモデルです。*出典元:https://www.swisswatchexpo.com/

カリフォルニア・ダウン

SAN ANDREAS(2015)

カリフォルニアとロサンゼルスを襲った大地震を描くスペクタクル映画『カリフォルニア・ダウン』。命の危機に晒された妻と娘を助けるため奮闘するレスキュー隊員、レイ(ドウェイン・ジョンソン)の腕には、こちらもパネライ ルミノール1950 サブマーシブル(PAM00305と思われる)が着けられています。*出典元:https://oracleoftime.com/

ワイルド・スピード/スーパーコンボ

FAST & FURIOUS PRESENTS:HOBBS & SHOW(2019)

同シリーズ『MEGA MAX』のルーク捜査官が再登場。テロ組織のウィルス兵器を追うルーク捜査官の腕には、前回同様、パネライ ルミノール サブマーシブルが着けられています。それにしてもこの二人が並ぶとインパクトが半端ないですね。*出典元:https://geekycraze.com/

ドウェイン・ジョンソンの着用するパネライは、サブマーシブルデイライトなど、全てケース径44mmオーバーの「デカ厚」時計。この大きさでも丸太の如き腕に着けられると小さく見えてしまいます。もし仮に彼が40mm前後の普通サイズの時計を着けていたら、激しいアクションシーンで簡単に壊れそうに見えてしまい、そのシーンの説得力は損なわれてしまうでしょう。

ロック様×パネライの組み合わせは「これ以外にあり得ない」、そんな気さえしてきます。

ジェイソン・ステイサムのパネライ

続いて二人目の「パネリスティ俳優」は、英国人俳優のジェイソン・ステイサム。水泳飛込競技の元イギリス代表選手、引退後はファッションモデルを経て、ガイ・リッチー監督のデビュー作『ロック・ストック・トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998年)でスクリーンデビュー。

*出典元:https://moneyinc.com/

同監督の2作目『スナッチ』(2000年)ではブラッド・ピットと共演。『トラスポーター』シリーズ(2002~2008年)での主演によりアクションスターとしての地位を確立すると、以降は『ワイルド・スピード』『エクスペンダブルズ』などをはじめ、数々のアクション大作への出演が続く人気俳優。

トランスポーター

THE TRANSPORTER(2002)

どんな「モノ」でも期日通り目的地に届ける裏社会の「運び屋」、フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)の活躍を描く人気シリーズ第一作『トランスポーター』。人身売買組織との戦いに巻き込まれるフランクが身に着けているのは、アルマーニの黒いスーツにタキメーターベゼルが個性的なパネライ ルミノールクロノグラフ (PAM00074)*出典元:https://whatkindofwatch.com/

トランスポーター2

TRANSPORTER 2(2005)

裏稼業から足を洗うつもりの「運び屋」フランクが、ひょんなことから連邦麻薬対策委員と麻薬密売組織の戦いに巻き込まれていくシリーズ第二作『トランスポーター2』。フランクの愛車がBMWからアウディに変わったことで心機一転、時計も同じパネライながら、スタローンゆかりのパネライ ルミノールクロノグラフ デイライト(PAM00196)に変わっています。*出典元:https://www.spotern.com/

トランスポーター3 アンリミテッド

TRANSPORTER 3(2008)

巨大産廃管理企業と環境大臣を巡る陰謀に巻き込まれたフランク。愛車から23m以上離れると爆発するブレスレットを強制的に着けさせられたフランクが、依頼品である「大臣の娘」を運ぶためにヨーロッパ中を駆け巡るシリーズ第三作『トランスポーター3』。またまた時計が変わり、今作に登場するのはパネライ ルミノール フライバック クロノグラフ(PAM00212)*出典元:https://newart74.ru/

エクスペンダブルズ2

THE EXPENDABLES 2(2012)

ハリウッドが誇るアクションスター総出演映画『エクスペンダブルズ』では、部隊のリーダー、シルベスター・スタローン演じるバーニー・ロスの右腕、リー・クリスマス役を演じるジェイソン・ステイサム。パネリスティ界の先輩であるスタローンに敬意を表し、パネライ ルミノール サブマーシブル 3デイズ ブロンゾ(PAM00382)を着用しています。
*出典元:https://rubberb.com/

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション

THE EXPENDABLES 3(2014)

シリーズ第三作『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』。正直なところ、もはやシナリオはどうでも良く、往年のアクションスターたちがどんな姿を見せてくれるのかを楽しむ「お祭り映画」となってきた本作。前作に引き続き部隊のナンバー2、リー・クリスマス役のステイサムが着けているのは、パネライ ルミノール サブマーシブル 1950 アマグネティック チタニオ(PAM00389)。高い耐磁性能を誇るチタンモデルです。
*出典元:https://monochrome-watches.com/

ドウェイン・ジョンソンが、そのビルドアップされた肉体に合う、大きく堅牢なパネライを選んでいるのに対し、ジェイソン・ステイサムはブロンズやチタン、フライバッククロノグラフや高耐磁性能など、素材や機能性を楽しんでいるように思えるラインアップです。
「デカ厚」だけではない、パネライの先進性をアピールするのに一役買っていると言えるのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサム、二人の「パネライ愛」を存分に感じていただけましたでしょうか?ロック様のように「デカ厚」にこだわるも良し、ステイサムのように素材や機能の多彩さ」を楽しむも良し、いろいろな楽しみ方ができるのがパネライの良さであり、楽しさと言えるでしょう。

*出典元:https://timeandtidewatches.com/

21世紀も早20年が経過し、デカ厚時計人気もひと段落した昨今ではありますが、鍛え上げられた肉体とパネライの組み合わせが、今後も「男らしさ」を感じさせる時計の最上位に君臨し続けることに変わりはありません。

ワイルドさの演出として、鍛えた肉体のお供として、その地位が揺らぐことのないブランド「パネライ」。皆様もぜひ一本は押さえておくことをお勧めいたします。

ではまた!

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