名優ロバート・デ・ニーロの腕時計 ~Actor’s Watch #30~

映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第30弾の今回は、ロバート・デ・ニーロの腕時計に注目していきましょう。

*出典元:https://irishamerica.com/

アカデミー賞ノミネート6回、受賞2回を誇るハリウッドきっての名優、ロバート・デ・ニーロをご存じない方はいないでしょう。映画への出演にあたっては徹底的な役作りを行ない、どのようなキャラクターも変幻自在に演じ分ける「カメレオン俳優」としても有名です。

そんな彼が着用している腕時計とはどのようなものか、さっそく見て参りましょう。

カジノ

CASINO(1995)

実在したスポーツ賭博の予想屋フランク・”レフティ”・ローゼンタールをモデルにしたエース(ロバート・デ・ニーロ)が、ラスベガスのカジノ運営者として成り上がっていく姿を描いたマフィア映画『カジノ』。1990年公開の『グッドフェローズ』に続く、マーティン・スコセッシ監督の実録マフィア群像劇の第2弾にあたる作品です。

*出典元:https://www.cinematheque.fr/

情報とデータを用いた賭けで高い勝率を誇るエースは、運やツキを信じない理論派の予想屋。賭博の才を買われてベガスのカジノ運営を任せられると、持ち前の才能を活かして莫大な利益を挙げ、街の名士となっていきます。美しい妻も手に入れ、生活は順風満帆のように見えましたが長年の盟友ニッキーがベガスに乗り込んで来た事から事態は急変していく、、。

*出典元:https://www.gq-magazine.co.uk/

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劇中でデ・ニーロが70コーデ以上の衣装に着替え、衣装代に100万ドル以上をかけたといわれるこの映画。デ・ニーロは服と合わせるように複数の時計を着用していますが、最も有名なのはピアジェ ポロの金無垢時計。貪欲に金と地位を追い求めた男に相応しい選択と言えるでしょう。

ヒート

HEAT(1995)

強盗団のリーダーを演じるロバート・デ・ニーロと、彼を追う捜査官を演じるアル・パチーノ。1974年の『ゴッドファーザーⅡ』以来、約20年ぶりとなる2大スター共演が話題となったクライムアクション大作『HEAT』。

捜査官ヴィンセント役のアル・パチーノがブルガリ ディアゴノを着用しているのに対し、強盗団のリーダー、ニック役のロバート・デ・ニーロはクォーツのデジタルウォッチ、タイメックス ステルスを着用しています。

*出典元:https://productplacementblog.com/

*出典元:https://www.wbur.org/

天才的犯罪者のニックが立てる強盗計画は秒刻みでプランニングされており、全てが5分以内に完了するという完璧なもの。その実行に必要なのは、美しさでもステイタスでもなく「正確さ」「頑丈さ」である、という彼のポリシーが表現されている時計のように思えます。

RONIN

RONIN(1998)

ロシア高官が横流しようとする機密を狙い、各国のスパイや工作員たちが陰謀を巡らせるクライムアクション『RONIN』。日本の時代劇の「浪人」になぞらえたタイトルが示す通り、東西冷戦の終結によって国家という主人を失ったスパイや工作員たちの姿が描かれた本作は、一時代の終わりを告げる哀愁あるポリティカルサスペンスでもあります。

この作品で、アメリカ人スパイのサムを演じるロバート・デ・ニーロが着けているのは、1940~50年代頃のジャードゥー ベゼルメーターと思われます。フランスでの撮影時に現地の時計店で調達したとされるこの腕時計は、撮影後に持ち帰ったという噂もある程のヴィンテージの逸品です。

*出典元:http://www.thewatchspot.co.uk/

*出典元:http://www.thewatchspot.co.uk/

ジャードゥーというブランドはスイス製の時計を作っていましたが、元々はアメリカに本社を置く航空機器メーカー。冷戦時代には世界中を飛び回っていたであろうアメリカ人スパイの腕にしっくりとハマりますね。

リミットレス

LIMITLESS(2011)

小説が書けずに追い詰められた作家、エディ(ブラッドリー・クーパー)が、脳の使われていない部位を活性化させる新薬「NZT」を手に入れる。脳を覚醒させたエディは一晩で傑作小説を書き上げると、さらにはビジネス界にも進出し、株取引や投資でも大成功を収め、瞬く間に財界の頂点へと駆け上がっていきます。世界から注目を集めることとなったエディでしたが、やがてNZTの依存症となり、副作用に苦しめられ、、。

*出典元:http://www.thewatchspot.co.uk/

この映画では、主人公のエディに巨額の投資話をもちかける大物投資家役を演じるロバート・デ・ニーロ。その腕にはブレゲ クラシック(Ref.5197)が着けられています。高級腕時計でありながら、シックで控え目なたたずまいを見せるこの時計は、常に冷静さを必要とする大物投資家役を演出する上で最適な腕時計ではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。このように並べてみると、ロバート・デ・ニーロが映画の中で着用するのは、演じる役柄に合わせてキャラクターを際立たせる「説得力」のある時計ばかりであることがわかります。

*出典元:https://www.pkbaseline.com/

彼がボクサーを演じた『レイジング・ブル』では、現役時代から引退後の姿までを演じるため、極限まで絞り込んだ肉体から、短期間で27kgもの体重増加を敢行。また『タクシードライバー』の出演に際しては、実際にタクシー運転手として数週間勤務を行なうなど、徹底的な役作りをすることで知られるロバート・デ・ニーロ。そんな彼が、人物の個性や性格が如実にあらわれる腕時計の選択をおろそかにするはずがありません。これが「キャラクターに個性を吹き込むこと」に繋がっていくのでしょう。

これは逆に言えば、一般人であっても、腕時計を替えることで普段とは違う自分を演出できるということでもあります。自分を変えたい、いつもと違う雰囲気を出したい、そういう時には思い切って、普段とは全く違うタイプの腕時計を着けてみることで、新しい自分のパーソナリティが拓けていくかもしれません。そんな時計の選び方はいかがでしょうか?

ではまた!

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