スクリーン映えする腕時計 IWC パイロットウォッチ vol.1~Actor’s Watch #57~

映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第57弾の今回は「スクリーン映えする腕時計 IWC パイロットウォッチ」をお送りします。

*出典元:https://www.iwc.com/

ロレックスオメガタグホイヤーといった、腕時計好きでなくても多くの人が知っているブランドと比較すると、一般的な知名度はやや落ちると言わざるを得ないIWC。ところがハリウッド映画の世界となれば話は別。何人ものスター俳優たちが、数多くの作品でIWCのパイロットウォッチを身に着けてスクリーンに登場します。数えたわけではありませんが、ロレックスは別格としても、オメガやタグホイヤーを凌ぐほどの着用情報が見つかります。

今回はそんな「格段にスクリーン映えする腕時計」IWCのパイロットウォッチにフォーカスしてみましょう。

バニラスカイ

VANILLA SKY(2001)

美貌と巨額の資産を持つ若き大富豪のデヴィッド(トム・クルーズ)は、恋人のジュリー(キャメロン・ディアス)がいながら、女遊びに明け暮れる自由奔放な人生を謳歌していた。自分の誕生パーティーで知り合った純朴な娘、ソフィア(ペネロペ・クスル)に心を奪われ、愛を交わし始めるデヴィッド。しかしある日、嫉妬に狂ったジュリーがデヴィッドとの心中を図り、二人の乗る車が橋から転落。事故によりジュリーは死亡し、一命を取り留めたデヴィッドも顔に大怪我を負う。人に見せられない顔となり、自信とプライドを失ったデヴィッドの生活は荒んでいき、やがて身の回りでジュリーの幻覚を見るようになる、、、

*出典元:https://collider.com/

寝るたびに蝶になる夢を見る男(荘子)。しかしそれは、人が蝶になる夢を見ているのか、蝶が人になる夢を見ているのか、、、?本作は中国の故事『胡蝶の夢』をベースにした、事故をきっかけに現実と非現実の境界線が曖昧になっていく世界を描いたSFサイコスリラーです。

*出典元:http://montre24.com/

この映画でイケメン大富豪役のトム・クルーズが身に着けているのは、IWC パイロット MARK XV(マーク15 / Ref.IW325301)。先端がスクエアカットされた短針や、大きな三角マークのインデックスなど、1930年代のパイロットウォッチのデザインを受け継ぐクラシカルなアビエーション・ウォッチです。映画の冒頭からこの腕時計がアップになり、ブランドロゴなども大きく映し出されるため、「この映画でIWCという腕時計ブランドを知った」という人も少なくありません。また当時は「あのトム・クルーズが着けていた時計」として憧れる人も多かったモデルです。ドレッシーながら軍用時計をベースとしたデザインの抜け感もあり、洒落者のプレイボーイにはピッタリなモデルと言えるでしょう。

2012

2012(2009)

2009年、インドの科学者が大きな地殻変動の予兆を観測。数年後に人類に破局が訪れることを突き止める。それを知ったアメリカ大統領は、先進国の首脳や政府高官と共に秘密裏に対策を講じ、国民に極秘で「ノアの箱舟」の建造計画に着手する。3年後の2012年、売れないSF作家のジャクソン(ジョン・キューザック)は、イエローストーンで海賊ラジオ放送を行なう変人、チャーリーから「世界の終末が近いこと」を知らされる。それを信じたジャクソンは、離婚した元妻や子供たちらと共に飛行機でアメリカを脱出。巨大地震を間一髪で逃れ、箱舟の建設地といわれる中国を目指す、、、

*出典元:https://www.cope.es/

「マヤ文明の暦は2012年で終わる」ということから、世界滅亡の予言として話題となった都市伝説「2012年人類滅亡説」に便乗したSFパニック大作。監督は宇宙人の地球侵略を描いた『インデペンデンスデイ』でお馴染み、世界滅亡映画を撮らせたら世界一と称されるローランド・エメリッヒが務めます(次の監督作は、月が地球に衝突するパニック映画とのこと)。

*出典元:https://likeafilmstar.com/

災害をきっかけに家族との絆を取り戻していくSF作家を演じるジョン・キューザック。彼がこの映画で着けているのはIWC パイロット MARK XVI(マーク16 / Ref.IW325501)。前述のマーク15の意匠を受け継ぎつつ、現代的なサイズアップとデザイン調整が行われたモダンな一本です。運転手のバイトをしている食えないSF作家には少々お高い腕時計にも感じますが、彼と家族がこの腕時計と引き換えに窮地を脱するシーンがあり、高級腕時計じゃないと成立しないが故の無理やりなチョイスと感じられます。もちろんいい意味で。

ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲

JOHNNY ENGLISH STRIKES AGAIN(2018)

諜報機関MI7のエージェント情報がサイバー攻撃により漏洩。事態を重く見たMI7は、引退していたエージェントを招集して解決を図るが、その中には小学校で教員をしていたジョニー・イングリッシュ(ローワン・アトキンソン)も含まれていた。イングリッシュのミスで催眠爆弾が作動し、他の元エージェントが眠りこけてしまったため、MI7はイングリッシュにサイバー攻撃犯確保のミッションを指示するが、やることなすことミスだらけのイングリッシュに果たして勝機はあるのか!?

*出典元:https://www.gmtpost.com/

俳優ローワン・アトキンソンと言ってもピンと来ないかもしれませんが、日本では(世界でも?)「Mr.ビーン」と言えば誰もが知っている彼が「ミスで全てを解決する」凄腕諜報部員を演じる、お間抜けスパイアクションの第三作。

*出典元:https://www.iwc.com/

この映画でローワン・アトキンソンが着けている腕時計は現時点では確認されておりませんが、映画のポスターでポーズを決めるジョニー・イングリッシュの腕元に着けられているのは、IWC MARK XVIII(マーク18 Ref.IW327016)プティプランスと思われる青文字盤のパイロットウォッチ。

「映画のポスターだけで着用」というのも中々に珍しいパターンではないかと思いますが、プライベートやオフショットでも彼がこの腕時計を着けている写真が残されており、愛用品を着けてポスター撮影に臨んだのではないかと思われます。ちなみに「プティプランス」というのは、サン・テグジュペリの小説『星の王子様』のこと。子供の心を持ったまま大人になったようなMr.ビーンやジョニー・イングリッシュのキャラクターは、もしかしたら『星の王子様』の影響なのかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

IWCのパイロットウォッチ、実は過去の「Actor’s Watch」コラムでも何度か登場しておりますので、そちらも併せてお読みいただけましたら幸いです。

*出典元:https://www.cinemablend.com/

『Mr.&Mrs.スミス』(2005)でブラッド・ピットが着用
☞Actor’s Watch #31『永遠のイケメン俳優ブラッド・ピットの腕時計』を読む

*出典元:https://www.watchuseek.com/

クエンティン・タランティーノ監督の愛用腕時計
☞Actor’s Watch #47『犯罪映画の歴史を変えた傑作『パルプ・フィクション』の腕時計』を読む

*出典元:https://whatkindofwatch.com/

『アロハ』(2015)でブラッドリー・クーパーが着用
☞Actor’s Watch #53『演技派色男 ブラッドリー・クーパーの腕時計』を読む

*出典元:https://www.iwc.com/

パイロットや軍人、ヒットマンなどの「プロフェッショナル」が着用することも少なくありませんが、今回ご紹介した『バニラスカイ』『2012』のように、一般人役のキャラクターが着けることも少なくないのが、IWCのパイロットウォッチ最大の特徴。

これは、この腕時計がプロフェッショナル性(機能性)を備えながら、スーツやシャツスタイルに合わせても何ら違和感のないドレッシーさをも兼ね備えているからにほかなりません。プロが着けても、一般人が着けても「いい仕事してくれそう」と思わせる、そういう説得力の高さが「スクリーン映え」を生み、多くの映画に登場することに繋がっているように思います。

*出典元:https://www.iwc.com/

そのようなワケで、映画に登場するIWCのパイロットウォッチ、調べれば調べるほど出てきますので、とても一回でご紹介しきれません。続きはまた次回以降とさせていただきます。

ではまた!

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