【時計とファッション】着飾る嗜好品

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時計とファッション、、、

「腕時計を着ける」「服を着る」
どちらも一連の動作であり、どちらも身に纏うモノとして共通しています。

この解釈であれば、
「人は美意識によって、着飾るために腕時計を着ける」
とも言えるのではないでしょうか。

かつて、ポップアーティストとして、アート界の第一人者でもあるアンディー・ウォーホル(*以下 ウォーホル)は、カルティエのタンクを愛用していました。そのウォーホルの言葉を借りると以下のように語っています。

“I wear a Tank because it’s the watch to wear,”

日本語に直訳するのが難しいですが
「タンクを着けるのは、身に着けるための時計だから」
となるのでしょうか。

ウォーホルと腕時計にまつわる話で多く聞かれるのは、彼にとって腕時計は「時間を見るためのモノではなく、ファッションの一部として人から見られるためのモノであった」ということです。そのため、彼が竜頭を巻き上げることは無かったと言われています。

f:id:martybear:20180826185538j:plainもちろん腕時計は、”時間を知るためのモノ”として造られましたが、ウォーホルのように”着飾るモノ”という視点で時計選びをしてもいいのではないでしょうか?

高級時計は、腕元を彩る豪華絢爛なモデルから、職人技が光るアートピースのようなモデルまで数多く存在します。

そこで今回は、さまざまな腕時計がある中で、装飾に拘った「文字盤装飾の技法」「装飾が美しいおすすめモデル」をご紹介します。是非、最後までお楽しみください。

文字盤装飾

ギョーシェ彫り「クルー・ド・パリ」「ソレイユ」

見た目の美しさに加え、光の反射を抑え、視認性を高める効果もあるギョーシェ彫りは、18世紀に天才時計師「アブラアン・ルイ・ブレゲ」によって考案されました。 現代では、高級時計ブランドにおいても、機械加工や型押しで加工してしまうモノも多くありますが、ブレゲやパテックフィリップ、ランゲ&ゾーネなど、超高級時計ブランドと称されるところでは、今なお熟練の職人さんが昔ながらの器具を使い、1本1本手作業で仕上げています。

ギェーシェ彫りはさまざまなモチーフがあり、彫り込むパターンによって表情が異なります。代表的なパターンとして「クルー・ド・パリ」「ソレイユ」は有名ですね。

■「クルー・ド・パリ」

classic-19-3.jpgブレゲ クラシック ツインバレル パワーリザーブ 18KWG Ref.5907BB/12/984

文字盤を良く見ると、ピラミッドが連なった尖った鋲のように規則的に並ぶ加工を「クルー・ド・パリ」と呼びます。フランス語で「パリの爪」という意味です。

考案者のブレゲ以来、非常に長い伝統を持つ品格漂う技法の一つです。パテックフィリップ「カラトラバ」のベゼルにも採用されています。

■「ソレイユ」

パテックフィリップ ワールドタイム 18KWG Ref.5130/1G-011

太陽光のように放射状に広がるパターンが特徴の「ソレイユ」。フランス語で「太陽」を意味します。

繊細且つ、規則的な凹凸を彫り込むことで腕時計の顔立ちを端正にまとめ上げ、美しさを放ちます。

エナメル加工「クロワゾネ」

3500年超える歴史を持ち、時計だけではなくさまざまな美術品に施されている工芸手法のエナメル加工は、陶器のようなツヤと美術工芸品のような美しい仕上がりが特徴です。完成させるには金属板の表面に釉薬を塗り高温で焼き上げる技法を用いるのですが、熟練した職人たちでしか成しえない技術です。

■「クロワゾネ」

パテックフィリップ ワールドタイム クロワゾネ 18KRG Ref.5131R-011

エナメルを使った彩色技法の一つ「クロワゾネ」は、エナメル加工の中で上位技術に位置します。日本語では有線七宝とも言います。

人間の髪の毛よりも細い0.7mmの金線を使い、その輪郭の中にエナメルを流し入れて絵柄を作る、繊細、且つ絵画のような装飾です。また、一色ごとに何度も焼成が必要なため、採用しているブランドはごく一部とされています。一目でわかる高級感と美しさは、今なお世界中の時計愛好家から憧れられ、語られています。

天然石の加工「シェル」「メテオライト」

文字盤に、天然石や貝などの自然素材を使用した加工技法。天然のモノが有する色味や質感が、唯一無二の個性と魅力を放つ伝統的な装飾手法の一つです。

■シェル

https://www.commit-watch.co.jp/buyer/watches/mens/rolex/daytona-615-3/

光の角度によって様々な表情を見せるシェルダイヤルは、貝殻を加工した技法です。天然の貝殻から作られるため、一つとして同じモノが存在しません。エレガントで品格漂う趣深さから、様々なブランドが採用しています。

とりわけ「シェル文字盤」といえばロレックスを思い浮かべる方が多いかと思います。白蝶貝から取り出したホワイト・ピンク系も人気ですが、黒蝶貝から出るブラックシェルも高い人気を誇ります。

■メテオライト

隕石から取り出されるメテオライト。太陽系を飛び越え、惑星の軌道に偶然取り込まれ、重力に引き寄せられて地球へと落下した素材です。

この壮大な旅を経て、極めて珍しい金属の模様を作り出す希少なメテオライトは、ストーン系の中でも人気ナンバーワンと言っても過言ではありません。ロレックスでは、最もプレステージの高いモデルに使用されています。

エンボス加工「ロイヤルオーク」「アクアノート」

ブロックパターンが特徴のエンボス加工。専用のプレス機を使い、裏面を押し上げて浮かす加工技術です。

別名”タペストリー”とも呼ばれ、文字盤に立体感が生まれクラシカルな要素を演出します。大量生産向きとも言われますが、超高級時計ブランドであるオーデマ ピゲの「ロイヤルオーク」や、パテックフィリップの「アクアノート」でも採用される由緒正しい装飾と言えます。

■ロイヤルオーク

https://www.commit-watch.co.jp/buyer/watches/mens/audemars_piguet/royal-oak-194/

「グランド・タペストリー」と呼ばれるパターンが特徴で、ロイヤルオークの象徴的なオクタゴンベゼルと相まったダイヤルは、その美しさが際立ち、デザイン性の高さから圧倒的な指示を得ています。

■アクアノート

https://www.commit-watch.co.jp/buyer/watches/mens/patek_philippe/aquanaut-61/

アクアノートに施された「水平エンボス加工」も有名ですね。洗練されたスポーティーなルックスと、品格を併せ持ったアクアノートには欠かせない要素の一つです。この「水平エンボス加工」によって、立体的なデザイン、且つインデックスの視認性にも一役買っています。

装飾が美しいおすすめモデル

パテックフィリップ ワールドタイム 18KRG 「Ref.5110R-001」 

匠の技が光るギョーシェ彫り

繊細なギョーシェ彫りを施したオパーリン文字盤が特徴の「ワールドタイム」。後継機である「Ref.5130」とは異なる針の形状が根強い人気のモデルです。18KRG(ローズゴールド)製ケースには世界主要24都市の時間を表示するワールドタイムムーブメント「Cal.240/188」を搭載しています。ケースサイド10時位置のプッシュボタンを押すことにより、世界24か所の主要都市の現時刻をすぐに把握することができます。

販売価格 3,289,000円(税込)

ロレックス デイトナ 18KWG 「Ref.116509」

高い人気を誇るブラックシェルダイヤル

ブラックシェルを採用した18KWG(ホワイトゴールド)仕様のデイトナ 「Ref.116509」。シェル文字盤はドレスウォッチに偏りがちですが、プレステージの高いモデルに採用することでラグジュアリー・スポーツウォッチとして確立され、唯一無二の輝きを放ちます。

販売価格 5,995,000円(税込)

パテックフィリップ アクアノート 18KRG 「Ref.5167R-001」

魅惑のチョコレートブラウン×エンボス加工

最後にご紹介するのは、シックなカラーリングと水平エンボス模様が特徴の『アクアノート』「Ref.5167R-001」です。このモデルの特徴的なトロピカルバンドの模様も新しくなり、 文字盤の意匠もそのイメージに合わせて変更されています。18KRG(ローズゴールド)ケースとチョコレートブラウンカラーの文字盤は相性が良く、スポーティーな中にも柔らかい雰囲気を放ちます。

販売価格 6,985,000円(税込)

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。

美しい装飾や加工が施された腕時計は、まさに着飾る嗜好品と呼ぶに相応しい逸品ではないでしょうか。職人の高い技術と労力を費やし、貴重な素材を用いるため、高級時計ならではの深い趣がそこにはあります。

時間を知るためだけであれば、スマートフォンひとつあれば済みますが、高級時計を着けることで至福の時を同時に味わってみるのはいかがでしょうか。

ファッションにおいて、男性なら高価なアクセサリーよりも高級時計を身にまとう方が、周りからの反応も言わずもがな。高級時計をお持ちなら、これみよがしで着けるぐらいが個人的にカッコイイとも思います。

今回も、この記事がご自身のお気に入りの一本を選ぶ際の一助となれば幸いです。

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