【2021年度版】機械式腕時計 ” パネライの人気おすすめモデル8選”

今回のコラムでは、イタリア時計の雄、『パネライ』を取り上げたいと思います。内容に関しては、現行モデル、ディスコンモデルも含めた8選とさせていただきます。

『PANERAI*パネライ』とは

*参照:panerai.com

オフィチーネ・パネライ(OFFICINE PANERAI)は、イタリアの高級腕時計ブランドで、通称『パネライ』と呼ばれています。

1860年にジョヴァンニ・パネライ(Giovanni Panerai)によってフィレンツェに設立された精密機器メーカーで、1930年代にイタリア海軍より潜水部隊用時計の製作依頼を受けたことによりその歴史が刻まれていきます。1997年からはスイスのヴァンドーム・グループ(現リシュモン・グループ)の傘下に入りましたが、ヴァンドーム傘下となる以前のパネライの時計はプレ・ヴァンドームと呼ばれ、中古市場で高い人気を誇っています。

1998年に『パネライ』は民間向け腕時計市場に本格的に参画し、大型で厚い時計の流行の火付け役となりました。いわゆるデカ厚ブームですね。

*【LUMINOR】参照:panerai.com

2005年には自社製ムーブメントを搭載したモデルを発表し、マニュファクチュール化も果たしています。『パネライ』のデザインの特徴としては、大型ケースや大型のリューズガード、サンドイッチ文字盤のほか、9時位置(文字盤の左側)にスモールセコンドがある点で、大きく分けて「ラジオミール」と「ルミノール」の二種類に分類されます。二つのモデルの見分け方は、リューズプロテクタ―の有無ですね。

*【RADIOMIR】参照:panerai.com

愛好家の中にはご存知の方も多いと思いますが、『パネライ』のシリアル番号は1998年を起点として、Aからアルファベット順になっているため、製造年度の判別が可能となっています。

また、『パネライ』の宣伝戦略は非常に特徴的で、映画作品に積極的に登場をさせたことですね。当店のYouTubeでも取り上げておりますが、シルヴェスター・スタローン(パネライが民間市場に参入した当初の”プレ・ヴァンドーム”時代からの愛好家として知られている)やジェイソン・ステイサムなど有名俳優が劇中で使用したことにより、一挙に『パネライ』の知名度を高めました。

高級時計専門チャンネル COMMIT TV ▼▼▼

シルヴェスタ・スタローンと『パネライ』『リシャールミル』

今回はそんな『パネライ』のおすすめモデルを紹介したいと思います。

おすすめモデル① サブマーシブル ブロンゾ 1950 3DAYS PAM00382

1本目にご紹介するのは、2011年に世界限定1000本で生産された、スペシャルエディションモデルの「PAM00382」です。パネライ初となる47mmのサブマーシブルケースにブロンズを使用したことで、経年による色の変化が出やすくなり、エイジング効果を感じやすく、年月と共にケースの深みを感じることが出来ます。深いグリーン文字盤がアンティーク調を演出し、ケースのブロンズの色目とマッチしていて非常にカッコいいモデルとなっています。

パネライのブロンゾモデルは「PAM00507」(グリーン文字盤、パワーリザーブ付き)、「PAM00671」(ブルー文字盤)、「PAM00968」(ブラウン文字盤)があります。現在は多少価格が落ち着いてきましたが、パネライのブロンゾモデルはプレミア価格が付く人気モデルです。PAM00382

参考定価(販売当初) ¥1,034,000-

おすすめモデル② ルミノール クロノ 40mm SS/TI PAM00072

続いては、1999年の限定版クロノグラフ「PAM00052」をレギュラー化したモデル「PAM00072」です。ゼニス社のエル・プリメロをベースとした「Cal.OP IV」を搭載し、ダイヤル・インダイヤルともにブラックで統一した仕様となっています。1999年から2003年までのわずか4年間だけ製造された「Cal.OP IV」を搭載したパネライのモデルは、根強い人気を誇っています。

サテン仕上げのチタンケースとポリッシュのステンベゼル、これに合わせたブレスの組み合わせがシブイですね。40mmのケースサイズとブレスレット仕様という点、ロレックスのデイトナにも搭載されていたエル・プリメロをベースとしたキャリバーが搭載されている点、どちらも男心をくすぐりますね。

現在、ゼニスはLVMH、パネライはリシュモン・グループという大きな三大コングロマリットの競合同士となっており、今後エルプリメロを搭載したパネライのモデルは出てくることがない点も人気に拍車をかけているのかもしれません。

「PAM00074」や「PAM00072」は3年間(C・D・E番)製造されていたため、B番「PAM00052」ルミノールクロノ (500本限定)や、D番「PAM00108」(100本限定)に比べると比較的入手しやすくなっています。パネライ ルミノール クロノ1

参考定価(販売当初) ¥1,344,000-

おすすめモデル③ ラジオミール カリフォルニア PAM00424

ラジオミールの主な特徴の1つはその文字盤で、いくつかのバージョンが存在していますが、1936年に登場したカリフォルニアと呼ばれるものが初出で、こちらはそのプロトタイプのモデルの復刻版です。

ローマ数字とアラビア数字の独特な配置、バー型のアワーインデックス、ミニッツサークル(レイルウェイサークル)が特徴です。暗闇の中でも特殊潜水隊員が使用出来るように、文字盤の発光性能をさらに高めています。6時方向に配置されたOPロゴは、クラシックな印象となっており、搭載されている自社製大型ムーブメント「Cal.P.3000」はツインバレルにより72時間のパワーリザーブを確保しています。

実は、カリフォルニア文字盤は、上下の読み間違いがないようにロレックスが元々採用していた文字盤で、当初時計を製造するまでのノウハウや設備がなかったパネライは、ロレックスと契約を結び、パネライが求めるオリジナルの時計をロレックスが作っていました。パネライ ラジオミール カリフォルニア 3デイズ1

参考定価 ¥979,000-

【出典】パネライ

おすすめモデル④ ルミノール ドゥエ 38mm PAM00926

続いては、2018年SIHHにて発表された、2019年新作モデル【ルミノール ドゥエ】「PAM00926」。【ルミノール ドゥエ】は、パネライの作品の頂点に立つルミノール1950のケースに着想を得て製作されたモデルです。

こちらのモデルは、ブルー・サンブラッシュ仕上げのダイヤルに、ブラウン・ルミノバ夜光を使用し、ケース径は38mm。大型モデルが多いパネライの中で、小ぶりで日常使いしやすいルミノールとなっています。ブルー文字盤×非常に軽量なチタンケースの組み合わせは、デザイン性と実用性を兼ね備えていますね。ブルー文字盤が美しいモデルでしたが、惜しくも生産終了となっています。

参考定価 ¥836,000-

おすすめモデル⑤ ルミノール ドゥエ 42mm PAM00904

続いてご紹介するモデルも、先ほど同様【ルミノール ドゥエ】。こちらは、歴代のルミノールのケースの中で最も薄い作りとなっていて、42mmケースに新しいムーブメント「Cal.OP XXXIV」を搭載しています。

パワーリザーブは最大巻上げ時で3日間のロングパワーリザーブを確保。仕上げが美しいサンブラッシュアンスラサイトダイヤルは、9時位置のスモールセコンド、アラビア数字、バーインデックスと、パネライらしい仕上げです。

グレー色に近い色目は落ち着きがあり、ドレスウォッチとしても使用できるデザインとなっています。PAM904

参考定価 ¥770,000-

【出典】パネライ

おすすめモデル⑥ ルミノール マリーナ オートマティック 44MM PAM00104

続いては、クロノメーター認定の自動巻きムーブメント「Cal.OP VIII」を搭載した「PAM00104」です。オロロッソ(レッドゴールド)など、パネライの素材はイタリア語となっていますが、こちらはアッチャイオと呼ばれる、イタリア語で鋼鉄を意味するステンレス製のケースです。

ルミノールのケースは、パネライが第二次世界大戦中にイタリア海軍の特殊潜水部隊の為に製造した時計を忠実に再現したもので、文字盤のデザインも、1940~1950年代に生産されていたパネライウォッチを彷彿とさせるものとなっています。独特のクッションケースにパネライ特有のリューズガードを装備し、デイト表示、自動巻き機能のみというシンプルさゆえ、長年人気を博すロングセラーモデルです。

現在は生産終了となり、2017年に「PAM01104」へと引き継がれていますが、現行モデルの「PAM01104」は尾錠仕様に変更となったので、Dバックルがお好きな方は「PAM00104」がオススメです。

参考定価(販売当初) ¥847,000-

おすすめモデル⑦ ルミノール1950 3days GMT チェラミカ PAM00441

GMT機能を備えた自社製オートマチックムーブメント「Cal.P9001」を搭載したルミノール1950のブラックセラミックモデル「PAM00441」。カレンダー機構とGMT針、ツインバレルによる72時間(3日間)のパワーリザーブ機能を備えています。6時位置にCERAMICA(イタリア語でチェラミカ)の文字が配されたダイヤルは、表記がアイボリー色で統一され、雰囲気がありますね。シースルーバックのガラスにはスモークサファイアクリスタルが用いられていて、ムーブメントがグレー色に見えるようになっているのもニクい演出ですね。

パネライ ルミノール 1950 3デイズ GMT オートマティック チェラミカ-1

参考定価 ¥1,430,000-

おすすめモデル⑧ ルミノール ロゴ プレヴァンドーム 5218-201/A

最後にご紹介するのは、ヴァンドーム・グループ(現リシュモン・グループ)傘下になる以前に製造されたルミノール ロゴ プレヴァンドーム「5218-201/A」です。

この「5218-201/A」はパネライ初の民間向け、ルミノール ロゴのファーストモデルです。1993~1997年までの4~5年間で889本生産されたと言われています。トリチウム夜光のインデックスと針は、ほぼ同色でマッチしており、ヴィンテージの良い雰囲気がありますね。

当店で取扱したことがあるプレヴァンドームはマッチング仕様でしたが、実はアンマッチ仕様というものが存在します。アンマッチ仕様とは、材料の配合を変えてあるため元々劣化が進んだような夜光の色調が特徴となっています。個体数としては、マッチングの方が多いようですが、世界的には数の少ないアンマッチを好む傾向があるようです。販売価格もマッチングと比べると相当なプレミアムプライスになっています。パネライ ルミノール ロゴ プレヴァンドーム-1

参考定価 ¥-

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「パネリスティ」という言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、もともとはイギリス人のGuy氏が個人で始めたサイトが、パネライファンの総称を「パネリスティ」と名付けローンチしたのが始まりと言われるほど、一時期の『パネライ』人気は凄まじいものがありました。

現在は、当時のような熱烈なファンは少なくなってきている印象がありますが、ケース径を小型にしたラインも追加するなど新たな動きも見せていますので、リバイバルに期待したいですね。

Text By Yoichiro Yamashita

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