コミットTV 八木コラム ~《今さら聞けないシリーズ Vol.13》【高級時計入門編】『年次カレンダー』って何!?意外と知らない『年次カレンダー』を徹底解説~

みなさま、こんばんは!

今週も新連載の今さら聞けないシリーズをお届けしていきたいと思います。この新企画では、高級腕時計にあまり詳しくない方、これから勉強していきたい方へ向けて「今さら聞けないよ!」といった、高級腕時計の基本的な事をわかりやすくお伝えしていきます。

第13回目となる今回は

高級腕時計入門編】:年次カレンダー

高級腕時計の魅力の一つに、複雑機構を搭載したモデルの存在があります。通常のカレンダー機能を備えたモデルは数多くありますが、『年次カレンダー』を搭載したモデルになると、ぐっと数が減ります。それは、そもそも技術力を持った一握りの一流ブランドでしか作れず、それゆえに時計ファンの多くが憧れを抱く機構とも言えます。

本日は、そんな『年次カレンダー』がどういった機構かよく知らないという方に向けて、『年次カレンダー』の特徴や、『永久カレンダー』(パーペチュアルカレンダー)との違いについても解説していきたいと思います。

『年次カレンダー』とは?特徴を解説

年次カレンダー』=『アニュアルカレンダー

『年次カレンダー』は『アニュアルカレンダー』とも呼ばれるカレンダー機構です。通常のカレンダー機構を搭載した時計は、31日で設定されているため、30日までしかない月は、カレンダーを調整する必要があります。「それほど頻繁ではないから大丈夫」と思われる方もいるかもしれませんが、意外と手間に感じるのも事実です。「1日に時計を見たら、カレンダーが31日のままになっていて慌てて調整した」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。

『年次カレンダー』は、この月末の調整を自動で判別します。毎年1回、228日または29日から3月1日にかけてのみ調整するだけで、あとは調整する必要がない画期的な機構なのです。そんな『年次カレンダー』を生み出したのは、世界三大時計ブランドの一角として知られる雲上ブランド【パテックフィリップ】。開発に約4年もの歳月を費やし、1996年のバーゼルフェアにて、世界初の『年次カレンダー』搭載モデルを発表しました。

『永久カレンダー』との違い

『年次カレンダー』に関する質問で最も多い内容が「『永久カレンダー』との違いは何か?」というもの。この別名『パーペチュアルカレンダー』とも呼ばれる『永久カレンダー』は、『年次カレンダー』の機能に加え、2月の調整や4年に一度ある閏年にも対応します。つまり時計の調整が限りなく不要ということです。(※閏年の関係で100年に1度は調整が必要)

『永久カレンダー』は、『ミニッツリピーター』、『トゥールビヨン』と並んで世界三大複雑機構の一つと言われています。1795年に、天才時計師として知られるアブラアン=ルイ・ブレゲによって、その基礎が作られました。意外に思われるかもしれませんが、実は『年次カレンダー』よりも『永久カレンダー』の方が歴史は古いのです。機械式時計は高機能となればなるほど価格も高額となりますので、当然『年次カレンダー』の方が手が届きやすい価格帯で、私たちのライフスタイルに歩み寄った機構であると言えます。

『年次カレンダー』の代表的なモデル

【パテックフィリップ】が特許を取得して生まれた『年次カレンダー』ですが、現在では多くのブランドから登場しています。各ブランド独自のデザインを展開し、その個性を発揮しています。ここでは『年次カレンダー』を搭載した代表モデルをご紹介していきます。

【パテックフィリップ】『アニュアルカレンダー』「Ref.5396」シリーズ

【パテックフィリップ】初の『年次カレンダー』「Ref.5035」の誕生20周年記念モデルとして登場した「Ref.5396」。『年次カレンダー』の機構はもちろん、クラシック時計の最高峰と言われる『カラトラバ』「Ref.96」のスタイルを受け継いだモデルです。

【パテックフィリップ】『アニュアルカレンダー』「Ref.5146」シリーズ

【パテックフィリップ】の『年次カレンダー』で外せないもう1本と言えば「Ref.5146」。2005年に登場し、15年以上生産されていたロングセラーモデルです。数ある『アニュアルカレンダー』モデルの中で、なぜこのモデルを選んだかと言いますと、私自身が当時愛用しており、その素晴らしさを体感しているからです。(笑)ドレスよりなスタイルはもちろんのこと、カジュアルスタイルでも利用しやすい万能型の1本です。

※元、八木の愛用モデル

【A.ランゲ&ゾーネ】『1815 アニュアルカレンダー』

【A.ランゲ&ゾーネ】を代表する『1815』の『年次カレンダー』搭載モデルです。こちらは『年次カレンダー』機構だけでなく、”誤差が1日分累積するのに122.6年かかる”という緻密な計算に基づいて設計された『ムーンフェイズ』機構も魅力の一つです。

【ロレックス】『スカイドゥエラー』

実用性を極めた高級腕時計として知られる【ロレックス】から、複雑機構を搭載したモデルとして登場したのが『スカイドゥエラー』。『年次カレンダー』に加え、『GMT』機能も搭載しています。【ロレックス】の中で最も複雑な機構を搭載していると言われており、ブルー文字盤は同シリーズの中でもとても人気が高いです。

【IWC】『ポルトギーゼ アニュアルカレンダー』

【IWC】人気モデル『ポルトギーゼ』の『年次カレンダー』搭載モデルです。12時位置に月・日付・曜日表示を備えているのが特徴です。他のブランドにはみられない、見やすくてユニークな文字盤を展開していることから、人気を博しています。

まとめ

年に一度の調整で済む『年次カレンダー』について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

頻繁にカレンダーを調整するのは手間に感じる方も、『年次カレンダー』の機能さえあれば、ほぼ何も気にせずに利用でき、非常に実用的でオススメです。各ブランド毎に、オリジナリティの高いデザインで展開していますので、是非とも皆さんのお好みを探してみてください。

今回も、この記事を見ていただいたことで高級腕時計に興味を持っていただければ幸いです!

ではまた!

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