プロ鑑定士が選んできた時計 Vol.Ⅱ ~阿部編~

皆さんこんにちは。

以前、COMMIT GINZAエグゼクティブアドバイザー『金子』の時計遍歴をお送り致しましたが、覚えていますでしょうか。実はその後、来店時やお電話にて「参考になった!」や「こんなモデルもつけてきたんですね!」「次はなにが値段上がりそうですか?」「何がそんなに楽しいのですか?(笑)」等、沢山のお声を頂き、コラマー冥利に尽きる次第でございます。ありがとうございます。思っていたより反響が高く、驚いておりますが、ご好評いただいたことに甘えさせて頂き、今回は時計遍歴『店主:阿部』編を書かせて頂きます。

COMMIT GINZA創業者でもあり、時計鑑定士として有名な阿部の時計遍歴。前回同様、買い方やその時の思い入れなんかも交えてご紹介しますので、是非お楽しみください。

プロが選んできた“高級時計遍歴”

❶OMEGA SEAMASTER 300 Ref.2531.80

ケース径41mm。ステンレススチール製のケースとベゼルを備え、60分光マーカー付き。 キャリバーは 1120自動巻きムーブメントで、44時間のパワーリザーブ。美しいブルーの波型ダイヤルはシーマスターらしい色合い。スチール製の夜光針と夜光ドットアワーマーカー、分マーカーが外側ダイヤルに付いており、ダブルプッシュボタン、フリップオーバークラスプ付きステンレススチールブレスレット仕様。

「購入当時の背景」
記念すべき1本目は、OMEGA シーマスター。丸井で新品を購入した時はものすごく緊張し、初めて高級時計を手にした時の事は今でも鮮明に蘇るそうです。初めてのご購入をされるお客様の接客時は、当時の自分と姿を重ね、出来る限り不安が無いように説明するよう心掛けています。

❷ROLEX EXPLORERⅠ Ref.14270 A番

ROLEXスポーツモデルの中でも、究極のシンプルモデル。探検家(エクスプローラー)のために開発されたモデルであり、発売当初からシンプルなこのデザインは、変わらずいつの時代もファンが多い。その見た目から、TPOを選ばず着用でき、年齢層も幅広く支持を獲得している。

「購入当時の背景」
当時ドラマ「ラブ ジェネレーション」にて主演を務めた木村拓哉に影響を受け購入したという初ROLEX。木村拓哉現象は本当にすごいのとともに、阿部も相当なミーハーですね。(笑)

❸ROLEX SUBMARINER DATE Ref.16610 K番

1953年に誕生した世界初のダイバーズウォッチ、SUBMARINER。ROLEXを代表する人気モデルであり、現在も常に人気上位モデル。1989年発売以来、約20年間というロングセラーモデル。搭載ムーブメントがテンプを1つのブリッジで支えるCal.3035からツインブリッジ化されたCal.3135に変更。安定性・メンテナンス性の向上が図られた。

「購入当時の背景」
3本目はROLEXでもトップを争う人気のSUBMARINER。やはり王道を一度は着けてみたいと購入。ギャランティなしではあったが、当時はなんと30万で購入が出来たとのこと。
着用頻度も高かったようで、間違いなく元を取ったと自慢されていました。

➍ROLEX DAYTONA Ref.16520 (白*エルプリメロ) N番 逆6

1988年、傑作クロノ・ムーブと言われるゼニス社の“エル・プリメロ”をベースに自動巻き化されたデイトナ。搭載ムーブメントCal.4030は、毎時36,000振動だった“エル・プリメロ”を毎時28,800振動まで抑え、テンプを大きくしマイクロステラナットで精度を高め、ROLEX独自の改良が施された。ベゼルは耐久性をあげたステンレスベゼルに、また、風防は”サファイアクリスタル”へと変更し、100m防水性能を実現した。ケース径は37mmから40mmへとサイズアップし、こちらは現行デイトナまで引き継がれている。

「購入当時の背景」
4本目は今ではリセールバリューもダントツで高いDAYTONA。少し爽やかなモデルが欲しくなり白文字盤をチョイス。(やかましいですね(笑)) 時計職に就いたのがこの時で、気合いでローン購入したそうです。当時の価格は80万。

➎ROLEX SUBMARINER Ref.16610LV (グリーン) D番

2003年にSUBMARINER誕生50周年を記念して発表されたRef.16610LV。“グリーンサブ”の愛称で呼ばれ、ROLEX社のコーポレートカラーであるグリーンを採用したモデル。時分針とインデックスのサイズがアップし、視認性の向上が図られている。このモデルもコレクター心を燻る仕様違いが存在し、初期モデルには、“ライム”と呼ばれる淡いグリーン色のベゼルや、通称“ビッグスイス”と言われる、ダイヤルの6時位置の「SWISS MADE」表記が大きい個体が存在する。(その他諸々使用違いあり)ちなみに【 LV 】とは、フランス語のグリーンベゼル【 Lunette Vert 】を意味

「購入当時の背景」
5本目はSUBMARINER生誕50周年を記念した通称グリーンサブ。一旦プレ値(プレミアム値段)が落ち着き正規未使用品を45万で買えたそうで、「少し遊びが効いた一本が欲しかった」とROLEXグリーンを採用した本モデルをチョイス。

➏PANERAI LUMINOR MARINA Ref.PAM00005

PANERAIは現在リシュモングループの傘下。そのリシュモングループ加入以前に作られたモデルを “プレヴァンドーム” と呼び、その頃のモデルには文字盤に「OP」ロゴ”が刻まれている。現在では「OP」ロゴを配したモデルの入手は困難とされ、価値も上がっている。PAM00005は針にスモールセコンドを配したルミノール マリーナのOPロゴモデル。ETA6497-2ベースの手巻きムーブメントCal.OPIを搭載。二針にスモールセコンドを配した設計。

「購入当時の背景」
時計職を始める以前から、PANERAIを見るたびに「かっこいいな」と思っており、1本買ってみようと手にしたのが6本目となるこちらのLUMINOR。阿部の時計遍歴をみてもダントツにサイズ感の大きいモデルではあるが、今でも男心をくすぶり安定的なファンは多い。ロゴモデルはやはり渋いですね。

❼ROLEX GMT MASTER Ref.16700 (赤×青)A番

ROLEXがパン・アメリカン航空の国際線パイロットのために開発したGMTマスター。異なる場所の時刻を把握できる機能を備えたROLEX唯一のパイロットウォッチである。GMT MASTERには「Ⅰ」と「Ⅱ」があり、GMT MASTAR「Ⅰ」の最終モデルとなるのがこちらのRef.16700。赤×青のベゼルカラーは通称「ペプシ」と呼ばれ今も人気の高いモデルとなっている。写真のようにベゼルカラーが経年変化で様々な表情に変わる為、自分だけの1本を探すのも楽しみとされている。

「購入当時の背景」
最終Aシリアルの正規完品で非常に状態が良かった為即購入したというGMT MASTER。実はROLEXが良いなと思い始めたきっかけがこのGMT MASTERであり、今でも思い入れが強い。ベゼルの変化が多彩であり、ヴィンテージロレックスの中でも非常に奥深くマニアも多い。

❽ROLEX SEA-DWELLER Ref.1665 (赤シード マークⅣ 1978Y)

SUBMARINERの上位機種として誕生したプロスペック・ダイバーズ=SEA-DWELLER。ケースサイドには「ヘリウムガスエスケープバルブ」といわれる、飽和潜水時に自動でヘリウムガスを排出する機構が装備。

「購入当時の背景」
オーナーとして、コミット銀座を立ち上げ、そこで始めて買った8本目となる時計は、ROLEX SEA-DWELLER Ref.1665通称赤シード。ヴィンテージ時計好きの中でも非常に人気の高いモデルは、当時阿部も欲がでてしまったとのこと。

➒ROLEX DAYTONA Ref.16520 (黒*エルプリメロ) W番 パトリッツィ

1988年、傑作クロノ・ムーブと言われるゼニス社の“エル・プリメロ”をベースに自動巻き化されたデイトナ。搭載ムーブメントCal.4030は、毎時36,000振動だった“エル・プリメロ”を毎時28,800振動まで抑え、テンプを大きくしマイクロステラナットで精度を高め、ROLEX独自の改良が施された。ベゼルは耐久性をあげたステンレスベゼルに、また、風防はサファイアクリスタヘルへと変更し、100m防水性能を実現した。ケース径は37mmから40mmへとサイズアップし、こちらは現行デイトナまで引き継がれている。

「購入当時の背景」
9本目はDAYTONA Ref.16520 W番のパトリッツィ。阿部保有の個体は文句のない逸品で、お客様の記憶にも強く残っているのでは!?インダイヤルの焼けが非常に濃く、且つ均等に入っており、ケースの状態も文句なし。金子もブログで書かせて下さいと頭を下げるほどの個体であります。今でも阿部は「誰がどう見ても最高の個体」と自画自賛の時計(笑)

➓ROLEX SUBMARINER Ref.16610LV (グリーン) M番 

2003年にSUBMARINER誕生50周年を記念して発表されたRef.16610LV。“グリーンサブ”の愛称で呼ばれ、ROLEX社のコーポレートカラーであるグリーンを採用したモデル。時分針とインデックスのサイズがアップし、視認性の向上が図られている。このモデルもコレクター心を燻る仕様違いが存在し、初期モデルには、“ライム”と呼ばれる淡いグリーン色のベゼルや、通称“ビッグスイス”と言われる、ダイヤルの6時位置の「SWISS MADE」表記が大きい個体が存在する。(その他諸々使用違いあり)ちなみに【 LV 】とは、フランス語のグリーンベゼル【 Lunette Vert 】を意味

「購入当時の背景」
10本目は再びグリーンサブを購入。グリーンサブといえばベゼルが綺麗に「ライム」色に変わっている個体がマニア心をくすぶる事で有名だが、阿部が購入した個体は、写真の通り抹茶のような色味。何とも言えない色味に「面白い!」と感じ即購入。確かに写真のような色味のグリーンサブは少ないですね。

⓫ROLEX DAYTONA Ref.116500LN (白)


2016年発売。ROLEXの特許であるブラックセラミック製の「モノブロックセラクロムベゼル」を搭載したDAYTONA現行モデル。手巻きデイトナ期のプラスチックベゼルを彷彿とさせるセラミックベゼル。定価を遥かに上回るプレミアム値で売買され、一時現行としては異例の300万超え(定価の約3倍)の値を付けるほど。

「購入当時の背景」
11本目は現行のDAYTONA Ref.116500LN。最高時は約3倍もの値段がついたプレミアムモデル。正規店でたまたま購入が出来ることになり、「記念に購入した」とのこと。(すごいいやな人ですね 笑)ただ、白文字盤は本当に人気が高く、純粋に羨ましい‼

⓬AUDEMARS PIGUET ROYAL OAK ジャンボ5402ST (Cシリアル)

1972年に誕生のロイヤルオークは「高級時計の常識を覆す」といわれた、世界初のステンレス製高級スポーツウォッチです。今でこそ当たり前になった“ラグジュアリースポーツウォッチ”というスタイルを確立した歴史あるモデルで、当時として39mmというケースサイズの大きさから、通称「ジャンボ」と呼ばれるモデル。

「購入当時の背景」
最後となる12本目はAUDEMARS PIGUET の人気モデルROYAL OAK。こちらは初代の通称ジャンボ。A~Cシリアルまである中、阿部は非常に状態が良かったCシリアルと出会えた為「即購入した」との事。なんといってもこの個体はK18YG製の下地ダイヤルがほぼ見えないとにかくコンディションの良いダイヤルが付いていて、パトリッツィと同じく「誰がどう見ても最高の個体」(もうつっこみません)

まとめ

以上がCOMMIT GINZA:店主阿部の時計遍歴となります。正直疲れました(笑)さすがに時計歴が長いと、遍歴も多いですね。実はお見せできていない時計や、直近も買い替えており、本当はまだまだあるのですが、次回のネタが尽きてしまうのでこの辺りにしておきます。

ただ、振り返ってみると、さすがのオーナーの時計遍歴。時計ファンが見ても「パトリッツィ」や「ジャンボ」あたりは世界中探してもなかなか見つからないレベルのものでした。やはり、コミットは良いお客様に支えられ、良い時計が循環しているんだなと感じます。そして、世界オークションを毎年数回まわっているので、相場観を正確に掴んでおり、購入価格も載せられませんがビックリ(ネットに出ている相場観より安い)価格です。前回お伝えした”CVWD”(Commit Vintage Dictionary)のストックリストも納得せざるを得ないですね。

現在はこのような情勢下、だいぶ緩和されてきましたが、なかなか思うように外出もできません。しかしながら、インターネットの普及によって様々な事が改善され、利便性が高まっていますので、是非ともコミット銀座のホームページ、そしてCVWDをお楽しみ頂ければ幸いです。

★★★CVWDはこちら↓

cvwd.jp

Text by Takuro Koda

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